主な読み物

主な連載読み物
土に呟きながら・慣行農で生活をしながら、自然農を知り、それを実験していた百姓の物語。 (全35話)
右手を眺めて ・脳出血で倒れ、右半身麻痺、うつ病、統合失調症になってしまった百姓の闘病記。  (全31話)
生まれるということ・SLEに病んだ妻の出産に関する物語。 (全30話)
小さな記憶・幼い頃、他人の家で育てられた謎の記憶。 (全24話)
親父になる 第一部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第一部。(全25話)
親父になる 第二部・26歳で息子を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第二部。(全25話)
親父になる 第三部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。新連載(連載中)

2015年8月20日木曜日

7話 バイト 1

親父になる

NO.・ 7・


大樹は中学生になってた。
まだまだ体の小さい子でね、弱々しかったよ。
体が小さいのに、バスケットをやっててね、将来はNBAに行くんだ、なんて可愛い夢もあったんだ。

俺の現場は、相変わらず順調でね、15世帯のマンションを2棟持ってたんだ。

俺が晩酌をしてる時、ぺそが面白いことを言い始めたんだ。

「大樹、中学生はバイトしちゃあいけないの?」
「え?バイトって?」
「アルバイトだよ。学生さんが、暇を見て働いてお金を貰うことだよ」
「知らない」
「知らないの?じゃ、やってみない?」
「え?僕が働くの?」
「そうだよ。働いて貰ったお金は、大樹のお小遣いになるんだよ」
「へえ、いいなあ」

おいおい、ぺそ、何を言い出すんだよ。
大樹はまだ中1だぞ?
どこも雇ってなんかくれないよ。

「たけし、いい?」
「え?何が?」
「大樹のバイト。たけしの現場でバイトさせない?」
「え?俺の現場で?」
「うん、今、仕上げの現場があるでしょ?仕上げなら危なくないし」
「そりゃそうだけど」
「日曜日なら、他の職人さんもいないでしょ?迷惑にはならないじゃない」
「ああ、まあな」
「どう?大樹、1日千円でバイトしてみない?」
「とーちゃん、いいの?」
「そうだなあ、日曜日の仕上げならいいか」
「1日千円くれるの?」
「いいよ、千円で」
「やったあ!お小遣いができる!」

大樹は千円に飛びついたよ。

だけど、何をやらせよう?
脚立に登るのは危ないしな。
どうしたものか。

そこは、ぺそが作戦を練ってたよ。

「大樹、かーちゃんが、照明器具を部屋に運ぶから、大樹は照明器具のダンボールを開いて、照明器具を脚立に乗ってる、とーちゃんに渡せばいいんだよ」
「ダンボールを開くの?」
「そう、カッターでダンボールを開いてね、とーちゃんに言われたように、照明器具を渡すだけだよ」
「ふうん、とーちゃんと一緒に仕事するの?」
「そうだよ。ずっと、とーちゃんと一緒だから、安心だよ」
「面白そうだなあ」

流石というか、何というか、ぺそも考えたな。
これなら大樹にも出来るな。
少し気合を入れてみるか。

「大樹、とーちゃんと一緒で安心だっていっても、働く限りは甘やかさないぞ」
「うん」
「大樹は千円を稼ぐんだからな、それだけの仕事はしてもらうぞ」
「うん」

大樹は真剣な顔になったよ。
こういうのもいい経験になるだろう、って思った。
お金を稼ぐことの大変さ、厳しさを教えるには丁度いいよね。
本当は、他人の飯を食わせなきゃ、一人前にはならないけど、まだ中1だしね。
ウチの仕事で慣らしておくのもいいだろう、って思ったんだ。

「じゃ、次の日曜日は遊びの約束をしちゃあダメだぞ」
「うん」
「かーちゃんと、3人で現場に行くからな」
「うん」

そんな会話を聞きながら、ぺそは、してやったりの顔をしてたよ。
まいったね。
ぺその作戦に、俺まではまっちまったよ。




コメントは 「掲示板 居酒屋たけ」 にてお願いします。

これまでの読み物
「親父になる 第一部」 「親父になる 第二部」
「生まれるということ」 「土に呟きながら」 「右手を眺めて」 「小さな記憶」

Amazon Kindleに出版はしたいがその方法がわからない方のために私がお手伝いします。
Amazon Kindle 電子書籍格安出版代行 1冊1万円

音楽ユニット「おにぎり」の音楽配信
チーム「おにぎり」の音楽配信
新曲「風の音」

「たけ」が管理運営する無料チャットサイト
「チャットで遊ぼ! OKチャット!」
チャットで遊ぼ!OKチャット!