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土に呟きながら・慣行農で生活をしながら、自然農を知り、それを実験していた百姓の物語。 (全35話)
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生まれるということ・SLEに病んだ妻の出産に関する物語。 (全30話)
小さな記憶・幼い頃、他人の家で育てられた謎の記憶。 (全24話)
親父になる 第一部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第一部。(全25話)
親父になる 第二部・26歳で息子を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第二部。(全25話)
親父になる 第三部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。新連載(連載中)

2015年7月27日月曜日

6話 チンチン

親父になる

NO.・ 6・


一人親方になってからの初仕事は順調だったよ。
マンションの規模としては、一人で十分に出来る範囲だったからね。
もう1件欲しいくらいだったけど、初仕事でミスをしちゃあいけないから、やめていたんだ。
その代わり、これでもかっていうくらい、気を使って、材料もいいものを使って、いい仕事を心がけたよ。

現場に様子を見に来た元請の小林社長も言ってた。

「斉藤さん、ここまでしなくてもいいのに。これじゃあ利益が削られちゃうでしょ?」
「いえ、いつもこんなもんですよ」
「そうなんだあ。いや、いい仕事をするねえ」

下請価格がよかったから、いい仕事が出来るなんて言えないよ。
足元見られちゃうからね。

「斉藤さん、ウチの専属にならない?この仕事なら、大手のゼネコンでも通用するわ」
「はあ、ありがとうございます。仕事が切れなければいいんっすけど。。。」
「そこは任せてよ。俺はね、仮設柱が立ってたって、営業にはいっちゃうよ。仕事なんか食うか食われるかだからね」
「へー、そうっすか」

仮設柱っていうのはね、工事用の電源を引くための電柱のことなんだ。
つまり、仮設柱が立ってるっていうことは、もうその現場に電気屋が入ってるってことなんだ。
それを、小林社長は、その現場を、よく言えば営業、悪く言えば横取りをしちゃうってことなんだよ。
この話を聞いた時は、ちょっとビビッたよ。
すげえ根性のある社長だと思ったもん。

「じゃ、斉藤さん、よろしくね」
「はい」
「あ、ぺそちゃんと大樹君にもよろしくね」
「あ、はい」

ぺそと大樹の話をしなければ、気持ちのいい社長なんだけどなあ。
ま、俺は下請だ。
少々の我慢は必要だね。

そんなことで、ほとんど残業もなく家に帰れてたんだ。
だから、ぺそとも大樹とも、いろんな話が出来たんだよ。

「とーちゃん、ゆーたとチンチン比べてきたよ」
「はあ??」
「昨日、お風呂で言ったじゃん。 ゆーたがチン毛生えてるかどうかって」
「ああ、あの話な。どうだった?」
「ゆーた、俺よりぼーぼー生えてたよ」
「へー、そうか」
「でさ、チンチンの先っぽが、すこし剝けてるんだよ」
「ほー」
「自然に剝けたの?って聞いたら、自分で剝いたんだって」
「なるほどねえ」
「ねえ、ねえ、とーちゃん、オナニーって知ってる?」
「ああ、知ってるよ」
「ゆーたに教わったんだけどさ、オナニーすると剝けるんだってね」
「あっはっはっは、ゆーた、そんなこと言ったか」
「うん、オナニーも教わった」
「へえ、教わってきたんだ」
「うん、ゆーたは、ゆーたのとーちゃんには言ってないらしいんだけど、俺と、とーちゃんは秘密なしだからね」
「うん、そうだな」
「でさ、とーちゃん、俺、オナニーしていい?」
「はあ?」

さすがにこの質問には参ったね。
どう答えていいのやら、迷ってたよ。
オナニーの許可をもらう息子がどこにいる?
まあ、素直っちゃ素直でいいんだけどさ。

困ってる俺を見て、ぺそが助け舟を出してくれたよ。

「大樹、もうすぐ中学になるんでしょ?」
「うん、来年から」
「中学生にもなって、オナニーを知らないなんて、おかしいよ」
「おかしい?」
「そうだよ、オナニーなんて、健康な男子の証拠みたいなもんだよ」
「そうなの?かーちゃん」
「そうだよ。だから、とーちゃんに聞かなくったって、どんどんやりなさい」
「ふうん、やっていいんだ」
「そう、中学生になったら、なんでもとーちゃんに聞くんじゃなくて、自分で考えたり、友達と相談して決めなきゃだめだよ」
「うん、わかった」

ぺその言ってることは正しかった。
いつまでも俺を頼ってちゃ、大樹のためにならないことはわかってる。
だけど、このまま大樹は親離れをするのかな?
そんなことを考えると、少し寂しくなったよ。

俺が子離れしなきゃいけない時期にきてるんだな、って思ったよ。

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「親父になる 第一部」 「親父になる 第二部」
「生まれるということ」 「土に呟きながら」 「右手を眺めて」 「小さな記憶」

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