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土に呟きながら・慣行農で生活をしながら、自然農を知り、それを実験していた百姓の物語。 (全35話)
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親父になる 第一部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第一部。(全25話)
親父になる 第二部・26歳で息子を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第二部。(全25話)
親父になる 第三部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。新連載(連載中)

2015年7月11日土曜日

2話 元請

親父になる

NO.・ 2・


ゼネコンの下請、つまり、俺たち一人親方の元請会社に営業をかけたんだ。
元請の監督達は俺のことは知っていたけど、俺一人では不安だったんだろうな。
若い衆がいたから、俺を認めていてくれたのかも知れない。

最初はね、請けの仕事を回してくれなかったよ。
元請の社員が入ってる現場への「お手伝い」だったんだ。
1日1万8千円だったかな?
日雇いみたいな仕事さ。
でもね、ここでいい所を見せなきゃ請けの仕事なんてもらえないからね。
元請の社員と競争で仕事をしたよ。

会社員っていうのはね、どこかで甘えがあるのかな。
「こんな仕事は俺がやらなくても、下請がやるさ」っていう姿が見え見えだったよ。
だからね、どんなつまらない仕事でもやったさ。
こっちは会社員で決まった給料を貰ってるわけじゃないんだからね。
「手が揃ったから、明日から来なくていいよ」って言われりゃそれまでだもん。
一人親方の洗礼を受けたような気がしたな。

家に帰ってもね、なんとなく気が晴れないんだよね。
酒も旨いわけじゃなくなってきたよ。
そんな時だったよ。
ぺそが話を持ってきたんだ。

「たけし、請けの仕事をしたいんでしょ?」
「そりゃそうさ」
「あたしの同級生が電気屋をやってるんだよ。知ってる?」
「いや、知らないよ」
「そこの仕事をやってみない?」
「紹介してくれるのか?」
「話だけしておくよ。あたしは仕事の話はわからないから、その後は、たけしが営業してね」
「大樹の同級生の家だよ」
「え?大樹の?」
「どうしたの?」
「いや、大樹が嫌がらないかなあって思って」
「なんで?」
「だって、友達の家の下請だぞ。なんかさあ」
「何言ってんの。子供は関係ないでしょ?そんなことより、早く下請の仕事をしたいでしょ?」
「うん。そうなんだけどさ」
「たけしは、もう誰にも頼れないんだよ。一人で仕事をするんだからね。だったら、どこの仕事でもできるでしょ?」
「うん、そうだな。営業してみるか」

小林電気。
ぺその同級生が社長なんだ。
大樹の同級生の親父が社長なんだ。
でも、そんなことは関係ないって思わなきゃね。
俺は一人親方になったんだから。

行ったよ。小林電気。
兄弟でやってるらしい。
兄が社長で、弟が専務らしい。
若い衆が6人。
高所作業車も持ってる立派な会社だったよ。

「おはようございます!虹電設の斉藤です。ウチの女房から話があったと思いますが、社長さんにお会いできないでしょうか?」

一人親方として、下請に入るはじめての言葉だった。
この挨拶から、虹電設の斉藤が動き始めたんだ。

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「親父になる 第一部」
「生まれるということ」 「土に呟きながら」 「右手を眺めて」 「小さな記憶」

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