主な読み物

主な連載読み物
土に呟きながら・慣行農で生活をしながら、自然農を知り、それを実験していた百姓の物語。 (全35話)
右手を眺めて ・脳出血で倒れ、右半身麻痺、うつ病、統合失調症になってしまった百姓の闘病記。  (全31話)
生まれるということ・SLEに病んだ妻の出産に関する物語。 (全30話)
小さな記憶・幼い頃、他人の家で育てられた謎の記憶。 (全24話)
親父になる 第一部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第一部。(全25話)
親父になる 第二部・26歳で息子を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第二部。(全25話)
親父になる 第三部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。新連載(連載中)

2016年5月15日日曜日

たま子

たま子が逝った。
14年と8ヶ月の命だった。
大型犬だから、人間で言えば、108歳くらいになるという。
天寿を全うしてくれたんだ。

生前、たま子と散歩に行ったんだ。
俺は脚が不自由だから、歩くのが遅いんだよ。
そんな俺を知ってか、たま子は俺の歩調に合わせてくれるんだ。
途中、俺が疲れちゃって、休んでいると、たま子は俺の顔色を伺いながら、足をとめてくれるんだ。


優しい子だったよ。
そんな時は、たま子の顔を、頭を、体を撫でながら休んだっけ。

たま子はね、何をされても嫌がらない子だったんだ。
顔をくしゃくしゃにされても、面白がって口をのばして遊んでも、尻尾を振って、一緒に遊んだんだよ。





安心しきった気持ちが伝わってきたっけ。

たま子はね、猫とも仲良しだったんだ。
猫に乳をあげて、想像妊娠したこともあったっけ。





とにかく優しい子だったなあ。

たま子はね、雪遊びが大好きでね、雪が降ると、喜んで遊んでたっけ。
ぺそが雪かきしてると、一緒になって飛び跳ねてたよ。






たま子はね、家族も好きだったんだよ。
息子のことも、ぺそのことも、俺のことも、みんな好きだったんだよ。





みんな家族だったんだ。
たま子も一緒に家族だったんだ。

オンボロな山小屋の生活だったけど、あったかい家族だったんだよ。
たま子がいたから、あったかかったんだよ。

今、傍らに、たま子が好きだった布団の上で、たま子の亡骸が横たわってる。
今にも俺に甘えてくるんじゃないかと思うほど、安らかに横たわってる。

俺たちに、あたたかさと、愛と、やさしさと、ほかにもいっぱい、いっぱいくれたたま子。
ありがとうね。
安らかに眠るんだよ。

いつかきっと、虹の橋で出会えるから。









コメントは 「掲示板 居酒屋たけ」 にてお願いします。

2015年11月2日月曜日

9話 バイト 3

親父になる

NO.・ 9


お昼近くになると、大樹のバイトも慣れてきて、仕事も順調に進んできたよ。
ぺそは照明器具を配り終えていたんだ。
そろそろ散らかったダンボールの片付けにはいるみたいだったんだ。

「大樹、この部屋を終わらせたら、昼飯にするぞ」
「え?もうお昼?」
「そうだよ。あと15分で12時だ」
「へえ、なんか時間が経つのが早いなあ」
「ははは、そうか?」

仕事なんてさ、夢中になれば時間なんて忘れちゃうもんね。
大樹も大樹なりに夢中で仕事をしていたんだね。

「よし、この部屋終わり。昼飯だ」
「はあ、お腹すいたあ」

緊張感から解き放たれて、大樹も空腹感を覚えたみたい。

「ぺそーー!今、どこだーー!?」

誰もいない現場だからね、でっかい声でぺそを呼んだんだ。

「1階の2部屋目ー!」
「昼飯にするぞー!1階のベランダで食うぞー!」
「ほーい!」

ベランダは南向き、ぽかぽかとして気持ちがいいよ。

「さあ、お弁当だよ。食べて、食べて」
「おお、旨そうだ。大樹、食べるぞ」
「うん、いただきまーす」

大樹もよっぽど腹がへってたんだろうな。
俺と同じくらいの弁当を、俺より早く食べちまった。
俺も職人の早食いだったけどね、この日は大樹には負けたわ。

「大樹、1時まで45分あるからな、休憩だ」
「うん」
「とーちゃんは寝るからな、大樹も昼寝していいんだぞ」
「え?ここで?」
「そうさ、職人なんて、どこでも寝ちゃうんだぞ」
「そうなの?」
「ああ、じゃ、おやすみ」
「うん」

俺は勝手に寝ちゃったよ。
いつもの癖でね、1時には不思議と起きるんだよ。
それまでは熟睡さ。
いつものことさ。

「あー、よく寝た」

やっぱり俺は1時に起きたよ。
あれ?大樹がいない。
ぺそもいない。
車かな?
車に行ってみたけど、いなかったよ。
仕方ない、また叫ぶか。

「ぺそー!大樹ー!どこだー!?」
「1階の4部屋目ー!」

なに?休んでないのか?
休憩時間に仕事だと!?
俺は2人を見つけて言ったんだ。

「おい、ぺそ、何考えてるんだ。休憩時間くらい休め」
「だって、少しでも仕事がはかどったほうがいいでしょ?」
「そんな問題じゃない。休む時は、休まなきゃ、体がもたないんだよ」
「今日ぐらいいいじゃない」
「だめだ。大樹には仕事を目一杯やることと、休む事を覚えさせるんだから」
「だってさ。。。」
「だってじゃない。メリハリをつけた仕事を覚えさせろよ」
「うん、わかった」
「3時の休憩は長めにするからな」
「うん」
「大樹、続きの仕事をするぞ」
「うん」

ちょっと、ぺそにはきつく言い過ぎたかな、って思ったけど、今回は大樹のバイトが目的だから、本当の仕事を覚えさせたかったんだ。
だらだら仕事をするなんてのは、誰でもできるんだよ。
休み時間に仕事をするなんてのは、誰でもできるんだよ。
だけどね、仕事は目一杯する、休むときは休む、っていうことを、覚えさせたかったんだ。
それで、ちょっと言葉がきつくなっちゃったんだ。

まあ、ぺそには今夜、酒でも呑みながら話せばわかってくれるだろう。
そんなことより、大樹の仕事っぷりを見てやらなきゃな。

こうして午後の仕事が始まったんだ。


コメントは 「掲示板 居酒屋たけ」 にてお願いします。

これまでの読み物
「親父になる 第一部」 「親父になる 第二部」
「生まれるということ」 「土に呟きながら」 「右手を眺めて」 「小さな記憶」

Amazon Kindleに出版はしたいがその方法がわからない方のために私がお手伝いします。
Amazon Kindle 電子書籍格安出版代行 1冊1万円

音楽ユニット「おにぎり」の音楽配信
チーム「おにぎり」の音楽配信
新曲「風の音」

「たけ」が管理運営する無料チャットサイト
「チャットで遊ぼ! OKチャット!」
チャットで遊ぼ!OKチャット!